仏画コラム
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36,千手観音二十八部衆

手が千本、目が千個の観音であるという事から、一般に千手観音と呼ばれている。正しい名称
は、千手千眼観自在菩薩といい、梵名をサハスラブジャアヴァローキテーシュヴァラと言
う。「サハスラブジャ」とは「千の手」あるいは「千の手を持つもの」の意味。千手千眼観
世音菩薩広大円満無礙大悲心陀羅尼経によると、観自在菩薩が過去に於いて、千光如来から
教を聴いて、第八地の高位の証を得られ千光如来に「若しも我が、当来に一切衆生を利益
し、安楽にならしむるに、たゆるとせば、我が身に千手千眼を具足せしめ給へ。」と誓願を
立てると、即時に、観世音の身に千手千眼が悉く具足したと説いてある、この観音は一切の
衆生を救い、利益を与えるには普通の姿では偉力がないため、千手として、この千手観音が
救済される手の及ぶ範囲が、広大なことを表すためとされている。
胎蔵界曼荼羅では虚空蔵院の北端に位置し、その相好は面が二十七、手は四十二臂を数え、
一手が能く二十五有界の衆生を救う。中央の二本を除き四十手に二十五の有界を乗じると千
手となり、一手ごとに一眼を有しているので千眼という。
密教の千光眼秘法蜜経に「この観自在菩薩は衆生のため千臂を具足する。また眼も同様であ
る今、四十手の法を説くこととしよう。四十手を五つにわけると一に如来部。二には金剛
部。三には摩尼部。四には蓮華部。五には事業部で、この一部ごとに八手を配する。五部の
中には五法がある。一に息災法で如来部に属し、これには化仏手、羂索手、施無畏手、白払
手、榜排手、鉞斧手、戟梢手、楊柳手これを八法という。二の調伏法は金剛部に属し、跋折
羅手、金剛杵手、宝剣手、金輪手、宮殿手、宝鉢手、日摩尼手の八法である。三の増益法は
摩尼部に属し如意宝珠手、宝弓手、宝経手、白蓮手、青蓮手、紫蓮手、蒲桃手、の八法であ
る。四は敬愛法で蓮華部に属する。すなわち、蓮華合掌手、宝鏡手、玉印手、宝環手、胡瓶
手、軍持手、紅蓮手これを八法とする。五は鉤召法で羯磨部に属する。故に鉄鈎手、頂上化
仏手、数珠手、宝螺手、宝箭手、宝篋手、五色雲手以上を八法とする。さればその欲すると
ころに随って成弁せざるはない・・・」と四十臂の持物と功徳について説いてある。
二十八部衆(にじゅうはちぶしゅう)は、千手観音の眷属の事である。 東西南北と上下に
各四部、北東・東南・北西・西南に各一部ずつが配されており、合計で二十八部衆となる。
1摩醯那羅達 2金毘羅陀 3婆馭婆楼那 4満善車鉢真陀羅 5薩遮摩和羅
6鳩闌単托 7畢婆伽羅 8應徳毘多薩和羅 9梵摩三鉢羅 10炎摩羅
11釈王 12大弁功徳天 13堤頭頼杔王 14神母女等 15毘楼勒叉天
16毘沙門 17金色孔雀王 18大仙衆 19摩尼跋陀羅 20散脂大将弗羅婆
21難陀跋難陀 22修羅 23乾闥婆 24迦楼羅 25緊那羅 26摩喉羅
27火雷電神 28水雷電神

S-167 千手千眼観自在菩薩 1.8×4.0尺丈

仏画

L-76 千手千眼観自在菩薩二十八部衆 2.0×4.0尺丈

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