仏画コラム
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13,梵文「摩 尼」法身偈(三弁宝珠)

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神戸市 高野山真言宗 浄徳寺 伝燈大阿闍梨 宇賀芳樹 先生筆

【梵字・摩尼】
【帰命頂礼大灌頂 光明真言功徳力諸仏菩薩の光明を 二十三字に蔵(おさ)めたり。】
・光明真言   おん あ ぼ きゃ べい ろ しゃ なう
        ま か ぼ だら ま に はん どま
        じんば ら はら ば りた や うん.
光明真言和讃に,摩尼の宝珠の利益には 此世をかけて未来まで
        福寿意(こころ)の如くにて大安楽の身とぞなる。…とあります。

大乗仏教の経典や論書になると、宝珠の機能や役割についての見解が整理され般若経の註釈
書と言うよりも大乗経典の集成的 論書の色彩が濃い「大智度論」巻五十九「校量舎利品」
では、此の宝珠は、龍王の脳中より出で、人、此の珠を得れば、毒も、害する能わず、火に
入りても、焼く能わず。是の如き等の功徳なりと、是れ帝釈の執る所の金鋼にして、阿修羅
と闘う時に用い、閻浮提に砕け落つ、諸の過去の久遠の仏の舎利なり、法既に滅し尽くす
に、舎利変じて、此の珠と成り、よって、衆生を益するなり、衆生の福徳の因縁の故に、自
然に此の珠有り。たとえば罪の因縁の故に、地獄中に自然に、治罪の器有るが如し、この宝
珠を如意と名ずけ、定まりたる色有ること無く清徹、軽妙にして、四天下の物を皆、悉く照
らし現わす。如意珠の義は、先に説けるが如し。この宝は、常に能く、一切の宝物、衣服、
飲食を出し、意の欲する所に随うて、悉く、能く之に与え、亦た能く、諸の哀脳、病苦等を
除く,此の宝珠には、二種有り。有るは天上の如意宝、有るは人間の如意宝なり。諸天の福
徳の厚きが故に、珠の徳具足し、人の福徳の薄気が故に珠の徳具足せず。などと説かれてい
ます。
又上部に描かれた三弁宝珠には三種の形有り、上の宝珠は三重の渦巻、これ赤道上を差し示
し、右の宝珠は時計回り(右廻り)の渦巻、これ南半球を差し示す。左の宝珠は反時計回り
(左廻り)の渦巻、これ北半球を差し示す.この三つの宝珠をもつて、全世界、我々の住む
地球上のすべての場所を差し、表しています。しいて言えばこれが大宇宙・地球なのです。
「コリオリの力」、地球は回転しているので、コリオリ効果が生じ、それを表現しています
【梵文・法身偈】
・三弁宝珠「法身偈」~  諸法従縁生  如来説是因  是法従縁滅  是大沙門説
いかなる物事も縁(因縁)に依って生起する。 如来はそれらの因(原因)を説くもの。 
またこれらの(滅尽)をも。         大沙門が説かれたものなり。

神戸市の高野山真言宗、浄徳寺の伝燈大阿闍梨 宇賀芳樹先生が、阪神・淡路大震災からの
復與創建875年を迎える記念に 山門・客殿・庫裏 を新築した折、信者・檀信徒の皆様
の為に記念に描かれたものです。生前先生は、三弁宝珠の重要なる意味を御教授して頂きま
した。 又2016年5月15日【世界博物館記念日】の日に、作品は中国蘇州国立博物館
にて、墨蹟と共に博物館内で展示紹介され、各新聞社・各放送局も大々的に取り上げ好
評を博しました。   

追伸、令和2年3月4日、浄徳寺、名誉住職、伝統大阿闍梨、大僧正、宇賀芳樹先生が、九
十歳をもつて、遷化されました。生前は、一方ならぬ御厚誼を賜り深謝申し上げます。     
神戸市 高野山真言宗 浄徳寺 伝燈大阿闍梨 宇賀芳樹 先生筆
申込:浄徳寺 078-731-0536                        
大進美術株式会社 06-6704-5920
制作仏画 大進美術株式会社

2016.5.15 世界博物館の日

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中国蘇州国立博物館にて

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光明真言和讃

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