仏画コラム
About sects

寺院仏画の伝承と普及
日本仏教芸術の意義と発展  望月 信成 論文参考

大進美術 大日寺 真鍋博士
仏教美術、または仏教芸術と言う言葉は明治時代以降に発生した新語である。現在我々は、
仏画や仏像を芸術作品として鑑賞し、その美を検討することに余念がないが、それが制作さ
れた当初は等しく信仰の対象物として造立されたものばかりであつて、礼拝こそすれ、芸術
作品として取り扱かつたものは一つもないことを忘れてはならない。しかし長年月の間に無
限の信仰を勝ち得た礼拝の本尊は多くの場合芸術的に見て素晴らしい作品であることが非常
に多いものである。宗教的信仰の対象物として真に価値ある本尊はそれがそのまま芸術作品
としてもまた大きな価値観を示す場合があることを知らなければならない。
我が国の古来からの寺院建築は原則として木造であるから、天災や人災で絶えず焼失倒壊等
の危険にさらされ、憂き目を見てきたが、それにもかかわらず芸術的に優れた本尊が多く百
難を排して救いだされているものである。そのために本堂は新しい建築であるけれども、本
尊は千古の名作であると言う場合が至る所に数多く見いだされる所以である。大衆の眼力は
常に厳正であつて、多くある仏画・仏像のうち災害の場合に最も芸術的優秀作を救い出す事
に懸命であつた。その実例は枚挙にいとまがないほどある。言葉を換えて言えば宗教的信仰
の真の価値観ある本尊はそのまま芸術的作品としてもまた大きな価値を示すものであり、私
達が仏画・仏像を仏教美術作品として取り扱う所以もここに存在する。
遠く、我々の祖先が残してくれた、素晴らしい遺産を若い人達にもよく知つて頂き、これの
重要なる価値を改めて十分に認識し、中外に誇りを持つと同時に永久保存を念願して、あら
ゆる機会を得て無事に後世に譲り伝えることに努力するべきではあるまいか。
特に若い人々に至つては、祖国の文化財は猫に小判のありさまである。さらに現代芸術が、
極端に在来の諸芸術を否定して、新しい造形構成を行い、新芸術の創作に余念がないために
若い人々はこれに共鳴して、日本の世界に誇るべき古文化財を無視する傾向があるように思
われて誠に遺憾に堪えない。我が国の仏教美術は、いずれも信仰の対象物であつて、芸術作
品として制作されたものは一点もない。その為に江戸時代までは、仏教美術の美的価値や売
買価値などを論じたものは一つもなく、ただ礼拝の本尊として保護してきた。
上記論文は、私が(小林 清孝)若き頃に読んだ(当時18歳)望月信成先生の論文内容で
あります。当時は望月先生は 藤田美術館館長 で大阪阿倍野区に住んでおられました。
その頃、昭和48年6月15日、発行の「日本仏教美術秘宝」1000部限定の仏教美術書で、
定価15000円でありました.僧籍にあつた望月信成先生は、仏教美術を中心とした著書も多
く様々な役職をこなし大阪の文化の発典に尽くされた人でした。
当時私は将来の展望を思い描き模索する日々でありました。仏画に興味を持ち、論文に感銘
を受け、感動・感激致しました。その時のことは今でも脳裏にはつきりと、刻まれていま
す。早いもので、あれから48年の歳月が流れ,最近は「どの様な仏画を後世に残すべきか」
と言う事を真剣に考えることが多くなりました。仏教美術本来の重要性と美しさを認識して
ほしいと念願しています。
当社 大進美術株式会社は、創業者小林清孝が創業より45年に渡り信仰の対象物である
仏画・仏画掛軸を伝承普及すると言う事業目的を掲げ、密教図像学を研究し仏画を描き、表
装をして、あるいは修復をしてと 全て自社一貫作業 を貫き、日々研究を重ね一筋道に
歩んで参りました。仏画制作に於いては、公私に渡り密教学者の田村隆照先生(故人)・頼
富本宏先生(故人)・真鍋俊照先生・川崎一洸先生には多くのご指導を賜りました。
現在までに数百種類の仏画を描き。表装を致し、寺院に納入してまいりましたが、現在私も
還暦を過ぎ、早66歳になりました。4年前には大病「脳動脈瘤」を煩い脳手術の為に一月
程度の入院もありました。現在も2箇所の動脈瘤を抱えておるのが現状です。また(平成
31年、5月1日)より令和と元号も変わり新しい時代が始まつております。近年描きまし
た様々な仏画の中より厳選しまして,自信をもつてお勧めしたい仏画を紹介致します。特に
全国の密教寺院のご住職様方に「後世に残すべき仏画」・伝承していただきたい作品です。
是非お問い合わせください。
1、 東寺元禄本 両部曼荼羅 ・弘法大師請來本系
2、 秘鍵大師御影      ・般若心経秘鍵/弘法大師像
3、 破体心経 「心 経」  ・空海筆・弘仁十二年(821)
4、 理趣経総曼荼羅     ・理趣経能説曼荼羅
5、 愛染明王と喜悦愛染明王
6、 五秘密曼荼羅
7、 真言密教両部秘蔵曼荼羅、・覚鑁臨終御本尊
8、 東寺本 談義本尊   ・弘法大師御影 重文
9、 東寺本 十二天屏風  ・六曲一双 国宝
10、 東寺本 真言八祖像  ・法系の正統性を伝える
11、 普賢延命菩薩像    ・真言宗用、天台宗用
12、 如意宝珠曼荼羅    ・摩尼宝珠・大師御筆・法身偈
13、 梵 文「摩 尼」   ・法身偈・三弁宝珠
14、 東博本 玄奘三蔵像
15、 宝篋印塔図      ・一切如来心秘密全身舎利宝篋印陀羅尼
16、 五輪塔図       ・梵文・宝篋印陀羅尼経
17、大般若守護十六善神
18、弥勒曼荼羅
19、仏涅槃図と八相涅槃図
20、十三仏図像と十王図本地仏
21、空海の真実経文句に基ずく 理趣経十七尊曼荼羅
22、千手千眼観自在菩薩 十三尊曼荼羅
23、五色光明真言曼荼羅
24、五大尊像       ・東寺本、御七日御修法用
25、理趣経十七尊曼荼羅
26、金剛界九会曼荼羅の理趣会  理趣経曼荼羅
27、愛染明王(胝愛染)と愛染曼荼羅
28、新安祥寺流曼荼羅
29、両部大経感得図
30、山水屏風
31、虚空菩薩・求聞持法本尊・五大虚空蔵曼荼羅
32、観世音菩薩・普門示現図・三十三応身図
33、太元帥法本尊・太元帥明王
34、八大龍王
35、薬師瑠璃光佛会図・薬師十二大願図
36、千手観音二十八部衆
37、国宝 釈迦如来説法図 元勧修寺本復元
38、浄土三部経 阿弥陀経変相図
39、浄土三部経 無量寿経変相図
40、浄土三部経 観無量寿経変相図
41、釈迦誕生図
42、阿弥陀如来と四十八の誓願
43、地蔵菩薩(六地蔵・十王信仰・十三仏信仰)
44、宇宙的叡智へ(空海の理趣経観)
45、宇宙的叡智(供養曼荼羅)隨縁・法爾
46、十三仏・十三仏大師付の聖画
47、高雄曼荼羅(伝承の意義)
48、両部曼荼羅の宝生草と牡丹草の考察
49、理趣経「百字偈」・空海御影
50、日日影向文・弘法大師御影

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