仏画コラム
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60,金剛界九会曼荼羅・微細会の金剛微妙・微細な智
金剛界九会曼荼羅の微細会のよりどころとする理法は、金剛智の法性で、三十七菩薩全体が金
剛杵で表現されています。各尊が金剛杵を背負うような姿で描かれる様にみえますが、金剛杵
の中に表現する事によって、非常に微細な仏達の智慧の働きを強調したものと思われます。
法と言う固い種子の中に具象的な尊像と言う胚子が宿されていることを示唆しています。微細
=原子ですから本来、目には見えない訳で曼荼羅が作られた当初から、すでに金剛微妙・微細
な智の法性が宿っていることを微細会によって示す為、金剛頂経、初会「金剛智法曼荼羅広大
儀軌分」第三・巻七として描かれて、九会に組み込まれました。
微細会は、「法曼荼羅」と言われるのは、一切如来の三摩地智、の境地を表したものであるから
「法曼荼羅」というのであり、それは曼荼羅の種類を示したもの、金剛杵は煩悩を砕き、菩提心
を起こさせる。微細会は、【大日如来の金剛智】を象徴しています。微細会は、現代で言えば、量
子論、原子のことであり、漢訳では、金剛智法曼荼羅,金剛微妙・優れて微細智というのが、曼荼
羅の固有名であります。一印会と微細会は二会セツトで考えられ、九会に組み込まれたと思わ
れます。これ恵果阿闍梨の先見性のたまものです。恵果阿闍梨は、何百年、何千年先を見通して
いたものと思われます。現在この微細の世界が最先端技術の、携帯電話、コンピュター、ソフトな
ど、世界をリードする技術となっています。今後の世界経済の基盤となります。
主として東密の金剛界曼荼羅は九会の組織になっている。金剛界法には二種類の系統があり、
一会三印の組織(八十一尊曼荼羅)とは、異なつていた。五相成身を成身会と呼び、羯磨会、三
昧耶会、供養会の三会を合わせた四会四印となり、その後、四印、一印の二会を加えて六会一組
となった。この後理趣会、降三世会、降三世会三昧耶会を加えて九会となる。曼荼羅の図を示し
た金剛界法は、五部心観であるが、この五部心観は東密には伝承されなかつたのである。その
当時、このような選択は、誰も理解できない、微細会の重要性を予見・認識できていない訳であ
る。
また不空三蔵訳の「大乗瑜伽金剛性海曼珠室利干臂千躰大教王経」巻第六には(微細秘密之義)
とあり、常人の伺い得ないものとされている。微細会は、量子論でいう性、生まれた時から、す
でに備わっている性質(原子)なのです。金剛界九会曼荼羅の中に微細会を組み込んだ恵果阿
闍梨の、未来への予知能力、先見性は、見事であり、また儀軌では金剛薩埵を描く一印会の尊像
を大日如来に変更した事、現證三昧大儀軌分、第五、巻八、「これ皆、金剛界大曼拏羅広大儀軌
のごとし」とあることと、やはり金剛界曼荼羅全体を一尊に集約するには、本尊ともいうべき大
日如来によって代表させるのが最適との判断が恵果阿闍梨にはあつたものと思われます金剛
界一会を九会曼荼羅に変更して示し、微細会を組み込み、また金胎不二思想など、これらの選択
は、恵果阿闍梨でなければできなかつた判断であつたと思います。1200年前の人々には、微
細な世界のことなどわかるはずもなく、その当時には「原子」のことなど理解できないものであ
つた。金剛界九会曼荼羅の制作に於いて、当初は、金剛界法A系は一会三印、B系は四会四印
「大日如来の金剛智の象徴」という思いが微細会には込められております。
よつて、私は、儀軌の順番に、成身会から、三昧耶会、微細会、供養会、というような、単純な経
典の順序とうりの、向下門・向上門は違うのではないかとおもいます。コラムのNO59、(量子
論・量子力学)でもかきましたが、これからの量子論が、未来の鍵であると考えると、九会の説明
順序では、「微細会=原子」が、これからの未来のこと、最後に残る様に思われます。量子論が、
注目され、あながち間違いでもないように思うわけです。真言宗に於いて、理趣経の重要性を
考えたとき、最初が理趣会で、最後が微細会になると思うわけです。


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