19世紀までの古典物理学を覆し、人類の宇宙観・自然観に革命をもたらした、現代
物理学の礎、それが量子論です。もし量子論がなかったら、コンピュターを始めと
する現在のテクノロジーは生まれていませんでしたし、宇宙やこの世界の真実につ
いての知識も、ずいぶん少なかつたことでしょう。量子論を知る事で、目に見えな
い極小・微細の世界から、極大の宇宙まで私たちは思いを巡らすことが出来ます。
まず「量子」と言う言葉です。量子とは一つ、二つ、三つと整数で数えることが出
来る小さな固まりのことです。量子は、分子や原子といったナノサイズ(1mの1
0億分の1)またはそれよりさらに小さな世界です。量子論の世界への入り口は、
連続的に変化する量を連続量、離散的に変化する量を離散量といいます。この連続
量と離散量、連続量だろうと思われていたものが実は量子で構成された離散量だっ
たというのが量子論の最も基本的なポイントです。私達の目に見えるような比較的
大きなもののサイズ感をマクロ(巨視的)なスケールといいます。日常的な常識は
マクロなスケールでできていてそのスケールでものを考えていると、量子に気付く
ことは出来ません。量子化が問題になるのは、目に見えないほど小さいミクロ(微
視的)なレベルでのことです。物質を細かく分割していくと、分子に分けられ、分
子は原子に分けられ、原子も更に小さな部品、(原子核と電子)に分ける事が現在
では分かつています。量子論は、ほぼ原子以下のサイズの世界を探究する理論です
19世紀末、量子論が誕生したころ、原子の存在はまだ証明されていませんでした。
しかし様々な発研があり、原子が実在することが確認され20世紀初頭に原子は物理
学の主役の一人となります。量子論の発展は原子の研究と切り話せません。大きさ
は地球とピンポン玉の比率と同じ程度です。量子の世界は奇妙な法則に支配されて
います。原子サイズ以下の世界には、マクロの世界の常識が通用しないのです。量
子論の根幹に関わる奇妙な2つのポイントを紹介します。以前私の会社、(大進美
術株式会社)のホームページのコラムに掲載した【7-2,大毘盧遮那如来の光と
色】で色と光の関係で、私は色の正体は光であり光は電磁波である。(波)と書き
ましたが、(これ、2017年ごろの論文で今から9年前のことです。)量子学の研究
により、現在では、波と粒子の二面性を持っていることが、新たにわかりました。
光は、波でもあるし、粒子でもあると言うのが結論であります。これがポイント1
です。物質における量子力学的な状態を表す(波)は、確率の波となります。例え
ば電子を測定する際、特定の場所から電子が右側にあるのか、左側にあるのかは、
確率としてしか把握できません。量子力学的には異なる状態を重ね合わせて、【同
時に存在している】と表現します。ポイント2,この(重ね合わせ)と呼ばれる現
象です。これ常識外れの現象のように思いますが、量子論を理解する為の鍵、「確
率」と言う考え方です.19世末から20世初めにかけて作られていった量子論は、そ
れまでの物理学や、人々の常識的なイメージを打ち壊しました。小さな世界におけ
る物質の状態を測定した事によって、その量子の性質が確定した際、同時に遠く離
れた場所での性質も瞬時に確定出来ますこれを(量子もつれ)といい、離れた場所
の状態が強く絡みあつて見える状態を指します。これからの時代、量子力学の未来
社会を考えますと、量子コンピュータ、量子ソフト、ネツトワークと様々な業界で
大きなイノベーションをもたらす可能性を秘めています。量子論が未来の鍵だと私
は直感しました。そこで、話はこの度、高雄図像両部曼荼羅の復元により完成しま
した「両部曼荼羅の見方」に変わりますが、今回、金剛界九会の微細会、この微細
会のことが、昔より気になって、仕方ありませんでした。現在の量子論で言う、そ
れは微細=原子と言うことです。そうであるならば、微細会は最後の9番目になる
のでは?と、考えました。弘法大師空海が曼荼羅を持ち帰られたのが、約1200
年前、その時既に「微細会」と言う言葉が使われていること自体に、改めて深く考
えが及びました、そうしますと、今の学説により、金剛界の九会の説明によります
と向下門・向上門で順番が説明されています。微細会は、向下門ですと、成身会よ
り数えて3番目になりますが、私は違うのではないかと思いました。そこで友人で
ある宮崎龍祥師に曼荼羅の見方を依頼中です。量子論を踏まえた内容でお願いしま
すと依頼中です。金剛界九会曼荼羅の微細会=原子であること、そうしますと、両
部曼荼羅を理解・説明するのに、学説の向下門・向上門でいいのか?ということ
が私の頭の片隅に昔からありました。私の結論から申し上げますと、最初が理諏会
で最後が、微細会になると思います。①理諏会②降三世会③降三世三昧耶会④一印
会⑤成身会⑥三昧耶会⑦四印会⑧供養会⑨微細会の順番です。九会曼荼羅のうち、
右側の理趣会・降三世会・降三世三昧耶会は、金剛頂経ではなく、恵果阿闍梨が追
加した三会であり、金剛界には属さない。最後の微細会ですが量子論でいう「原
子」のことで、今後、九会の中でこの微細会のことが将来的に重要な鍵になるよう
に思います。これ、現代の量子論です。宮崎龍祥師の考えと一致しました。微細会
が最後に残るこれなら納得です。微細とは現代でいう原子のことですから、1200年
前に恵果阿闍梨が空海に託した金胎両部曼荼羅、人間の目と言う感覚器官を活用し
て宇宙の真理を獲得する為の道具が曼荼羅。曼荼羅は宇宙の縮図ともいわれていま
す。将来的に、量子論を踏まえた両界曼荼羅の論文が、若い人達に依って多く発表
される事を願っています。「金剛界法」を詳しく調べていくうちに、善無畏や空海
の時代には主として(六会)であつた。成身会、三昧耶会、微細会、供養会、四印
会、一印会の六会、本来の金剛頂経はこの六会のみで、横並びの構成、一会曼荼羅
であった。九会は、恵果阿闍梨が大日経や理趣会・降三世会・降三世三昧耶会の要
素が追加されて、正方形の現在の金剛界九会曼荼羅になったもの で教理的整合性
をもたせるため恵果阿闍梨が考案した九会曼荼羅である。


