仏画コラム
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58,空海と高雄図像両部曼荼羅
白描・兼意白描図像、心覚伝領護持、 彩色・高野山金剛峰寺伝来 血曼荼羅
空海は何を求めて入唐したのか・・・その理由は「密教の教えは甚深であるため、経や論に
説かれている文字通りの解釈では表面的な理解はなしえても密教の神髄までは分からない。
それがわかるためには密教の修行を完成し曼荼羅を体現した師僧について灌頂を受け、言葉
を超えた、根源的な教えを学び取り相承する必要がある。これに加えて密教の修行や儀式の
執行に不可欠な仏画/仏像/仏具なども手に入れなくてはならない」と言われています。空
海は仏教を理解するには浅略釈(せんりゃくしゃく)と深秘釈(じんぴしゃく)との二つが
あるとします。一般の仏教の理解は浅略釈で済みますが、密教は深い宗教体験を踏まえた理
解、すなわち深秘釈でなくてはならないとします。経典を読んで表面的な理解で満足するの
は浅略釈であり、それでは到底密教の神髄は会得出来ないのです。しかし深秘釈による密教
を学びたくとも、密教を伝授する師僧も修行に必要な仏画や法具類などは、いずれも当時の
日本には整っていなかつたのです。単なる知的な理解ではなく密教の深秘な本質を知るため
には空海はどうしても唐に渡らねばならなかつたのです。空海の入唐、例えば灌頂を授かる
ことを始めとする幾つかの目的があつたはずです。その様々な目的の中でも、【日本に曼荼
羅を持ち帰る事】はとりわけ大きな願望であつたと考えられます。それは御請來目録に、
「恵果和尚いわく、真言秘蔵は経琉に隠密にして図画を仮らざるは相伝する事あたわず」と
恵果阿闍梨の言葉を記しているように空海にとつて曼荼羅は密教の相承には欠くべかざるも
のであるという考えが確固としてあつたからです。曼荼羅は空海にとつて恵果阿闍梨より師
資相承した密教の確証そのものだったのです。空海請来本は現存せず、空海在世中に描かれ
た高雄神護寺曼荼羅が基本図像参考になります。制作において、最重要点とはいつの時代で
も、高雄曼荼羅の図像を忠実に残したい、それは弘法大師が伝えられた両部曼荼羅をそのま
ま復元伝承すると言う事です。今回の金剛界九会、大悲胎蔵生の双巾の両部曼荼羅につきま
しては白描図像は、兼意の白描図像、これは、御室仁和寺本、彩色は、高野山金剛峰寺伝来
の血曼荼羅を基本に制作いたしました 
参考文献:【曼荼羅の見方 小峰 彌彦 先生(真言宗智山派観蔵院住職)】

仏画制作 大進美術株式会社



 

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