仏画コラム
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1-2,東寺、元禄本、現図曼荼羅

東寺元禄本 現図曼荼羅 金剛界

仏画

東寺元禄本 現図曼荼羅 大悲胎蔵

仏画
O-148/149 3,3X3,6尺丈 故頼富本宏博士 監修 東寺、許可証付き
9世紀に空海が長安青龍寺の恵果和尚から伝授された両界曼荼羅は、(現図曼荼羅)と呼ば
れ、東寺に珍蔵され、転写の繰り返しによってその図像が継承されてきた。その現図曼荼羅
は、宮中真言院あるいは紫宸殿を主たる道場として東寺長者が大阿闍梨を務め、玉体安穏、
皇祚無窮、鎮護国家、五穀豊穣を祈る後七日御修法において、本尊として兼用されてきた。
すなわち現図曼荼羅は、最重要修法の本尊として我が国の密教史を貫くものであり、機能
面、受要面などにおいて美術史上の最重要仏画の一つであると言える。空海請来本の第四次
転写本であり、現在の御修法でも本尊とされる。元禄本の願主は、仁和寺真乗院の孝源であ
った。発願から開眼供養まで一貫して主体的役割を担った孝源は、東寺長者として御修法の
大阿闍梨を務めた。その孝源より伝法灌頂を受けた久修園院宗覚律師が弟子らを率いて元禄
本を描いた。画事をよくした宗覚であるが元禄本の新写にあたっては不明瞭な部分を補埋す
る為十世紀の真寂筆「諸説不同記」を参照するなど、より古い図像を再現しようと尽力した
又元禄本の箱書きからは徳川綱吉の生母、桂昌院が施主であることが知れる。
令和5年(2023)は、弘法大師が東寺にて真言宗立教開宗を宣言されて1200年という吉祥な
節目の慶事年にあたり、東寺では10月に東寺立教開宗1200年慶讃大法会が取り行われま
す。今回の現図曼荼羅の復元は、第五次転写本であり、願主は、森泰長 東寺執事長、 監
修者は、頼富本宏博士、製作所 大進美術株式会社/小林清孝でございます。弘法大師への
報恩感謝の気持ちを込めて制作にあたります。制作にあたり、頼富本宏先生より幾つかの指
示がありました。元禄本は孝源・宗覚の根本曼荼羅転写に対する情熱の結晶を見る思いが致
します。空海請来の大精神が今に継承されている真言密教における極めて重要な曼荼羅であ
ります。当社総力を挙げて、取り組んでまいります。

1, 五色界道を内より、金剛界、白・緑・黄・赤・黒、胎蔵、白・赤・黄・緑・黒に変更
2, 金剛界、降三世会、四隅、明王像を明王妃に変更、高雄図像参考
3, 尊数、金剛界1465、胎蔵408、合計1873尊
4, 観音院、伴位14尊、薩埵院、伴位11尊、尊像位置修正
5, 成身会、西輪、高雄図像参考修正、
6, 三昧耶会、西輪2尊、置違え修正、東輪、金剛薩埵、五鈷杵修正、
7, DICにて地色、指示あり
大進美術(株)代表取締役 小林清孝