仏画コラム
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37,国宝 釈迦如来説法図 元勧修寺本復元
刺繡 釈迦如来説法図 158㎝巾X208㎝丈
原本158㎝巾x208cm丈 昭和27年11月国宝指定。唐時代(八世紀)制作。
我が国に現存する上代刺繡のうち最も大きな作品。唐時代(八世紀)唐よりの請来本。図様
は、宝樹天蓋の下に獅子座に座した赤衣の釈迦を中央に置き、四周に諸菩薩、羅漢、属衆を
背後に奏楽天人や飛鳥にまたがる神仙などを配した霊山における釈迦説法の情景を表したも
のと言われている。菩薩の表情姿態などには、焼失した法隆寺の金堂壁画のそれと極めて類
似したものがあり、また宝蓋、獅子座の形式は、中国唐の則天武后(624~705)頃に
定められた形制によるものと言われている。繍法は、撚り糸を用いた鎖刺繡と相良刺繡の二
法によつているが、尊像だけでなく、地にあたる部分もすべて鎖刺繡で繡い潰されており、
極めて重厚な趣きを呈している。相良刺繡は、螺髪、獅子座框や後屛の宝飾模様、菩薩の宝
冠、装身具、宝瓶などに用いられている。本品の制作については、八世紀前半の唐制で請来
品、とする説と、奈良時代中期(八世紀中葉)の日本制の両説があり確定はしていないが、
本尊の円光の紅と緑の繧繝は顔料による彩色となつており、注目される。なおこの繡仏は永
らく京都山科の勧修寺に伝えられて来たもので、現在の観音開きの扉をもつ額装にされたの
は寛永12年〈1635〉の修理の際とされている。
国宝大辞典 四 工芸考古 講談社本より

現在奈良博所蔵の国宝「釈迦如来説法図」繡仏は、鎖刺繡、相良刺繡と呼ばれるもので、一
般に見られる平刺繡とは違い特殊な刺繡であり、貴重な繡仏であります。昭和27年11月
に国宝指定されて、今在に至つております。日本に現存する最も大きな作品であり、大進美
術(株)による中国国内の度重なる刺繡調査の結果、唐の時代に中国で刺繡されたものであ
り、唐より請来されて勧修寺に伝来したものであると言う結論に至りました。
真言宗山科派、大本山勧修寺の元寺宝であつた繡仏「釈迦如来説法図」を復元して、正絹の
色糸を用いて、鎖刺繡、相良刺繡にて原寸大にて復元制作したいと願い思います。本件が、
大進美術(株)への依頼、要望でありました。勧修寺の現宮門跡、筑波常遍猊下の願望であり
また当時の宗務長、法福寺の鶴田倫雄ご住職の要望でありました。本件を完成させた(勧修
寺への納品)平成23年5月(2011)制作過程を簡単にご説明いたします。
1、原寸大の「釈迦如来説法図」の白描図像の制作理由
本来左右対称であるはずのものが歪んでいる、
刺繡の糸が一部抜けている、一部補彩をしている、
地の部分の刺繡が歪んでいる 一部尊像がよれて歪んでいる
2、鎖刺繡、相良刺繡ができる技術者の確保理由
日本国内においては、鎖刺繡、相良刺繡ができる技術者がいない(技術伝承されず)
鎖刺繡、相良刺繡の文献や、名前のみが知られるが、実際に刺繡できる人がいない。
中国国内においては、鎖刺繡、相良刺繡ができる技術者、調査現在で、数名(3人)しかい
ない(数年後には、中国国内でもできない見通し)
3、原本の色糸(特に色目)、金糸・銀糸を含むの詳しい調査報告書作成、色目の復元、
4、原寸大に白描図像を描いて、絵絹に写しとり、刺繡の技術者に任すのではなく、描いた
白描図像通りに、技術者に刺繡をしてもらう。技術者に全て任すと特にお顔などがゆが
むことが多いため、フリーハンドで刺繡をする従来のやり方はしない。
5、時間の制約をしない。

釈迦如来説法図(繍仏) 5.2尺×6.9尺丈

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白描図・釈迦如来説法図(繍仏) 5.2尺×6.9尺丈

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中尊釈迦牟尼仏

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O-81 極彩色仕上 1.8×2.3尺丈

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勧修寺門跡 筑波常遍猊下

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感謝状授与

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釈迦如来説法図 開眼法要

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刺繍釈迦如来説法図 奉納者

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制作仏画 大進美術株式会社